イギリスのオークションハウス・フィリップスが、2021年11月5日(金)と7日(日)開催予定のジュネーブオークションで、フィリップ・デュフォーの作品4点を出品することを発表。個人コレクターから提供された、現代における最も優れた時計師のひとりが製作した時計が4本そろう、非常に貴重な出来事となるだろう。

フィリップ・デュフォー



2度と訪れないであろう貴重な機会
 フィリップスは、2021年11月5日(金)と7日(日)に開催予定の「ジュネーブ 時計オークション XIV」にて、フィリップ・デュフォーが製作した4本の時計を同時に出品することを発表した。ロレックスデイトナこれらの作品はすべてオークション市場に登場したばかりで、長年にわたって彼の作品を収集してきた個人のコレクターから提供されたものだ。

 フィリップ・デュフォーは、現代を生きる最も優れた時計師のひとり、と称される人物だ。独立時計師という言葉を広め、彼が手掛けた数多くの作品は、世界中のコレクターから極めて高い評価を得ている。

 1970年代後半に時計師として独立した彼は、古い時計を修復することから始め、その約10年後には懐中時計や腕時計を製作した。グラン・ソヌリを搭載した懐中時計と腕時計、世界初のダブル脱進機を組み込んだ「デュアリティ」、そして古典的な美しい装飾を施した「シンプリシティ」を発表。彼が自身の名を冠した作品は、これら4本のみが存在する。

フィリップ・デュフォー

今回のオークションに出品されるのは、イエローゴールド製のグラン プチ ソヌリ 懐中時計 ナンバー1や、グラン プチ ソヌリ 腕時計 ナンバー1、ピンクゴールド製のデュアリティ、プラチナ製のシンプリシティの4本。フィリップ・デュフォーが独立時計師として歩んできた、歴史そのものを体現した4本の傑作が、ワンシーズンの間にひとつのオークションハウスから出品されることは、史上初のことである。
 バックス&ルッソのシニアコンサルタントを務めるオーレル・バックスと、フィリップスのヨーロッパと中東地域のウォッチ部門責任者を務めるアレクサンドル・ゴトゥビは、共同で次のようにコメントを残した。

「私たちや世界中の多くの⼈々にとって、フィリップ・デュフォーはミケランジェロに相当する時計職人であり、彼の作品がもたらす意味は計り知れません。このフィリップ・デュフォーによる4種の“セット”を出品することは、私たちにとって大変画期的な出来事でした。グラン プチ ソヌリ 懐中時計、グラン プチ ソヌリ 腕時計、デュアリティ、シンプリシティの4作品を出品させていただけるこの機会は、気が遠くなるようなものです。 topkopi 届いたデュフォーは時計界における生きたアイコンであり、彼の作品は現代の偉大な芸術家の作品と同様に切望されています。初めてのグラン プチ ソヌリ腕時計を提供できることは、大変素晴らしいことだと思っています。 私たちは、ビジョンと情熱を持ち、比類のないコレクションを根気よく作り上げたオーナー様から、このコレクションを託していただいたことを光栄に思います。 デュフォーの半生において創り上げた時計の数は、モディリアーニやマンネなどの巨匠の絵画よりも少なく、デュフォーの愛好家にとって、このコレクションはデュフォー作品のグランドスラムと⾔えるでしょう」