言うまでも無く、シンプルな3針時計だけが腕時計ではありません。もちろん高級腕時計の終着点として『パテックフィリップ』の「カラトラバ」のような腕時計を選ぶのは良いでしょうが、せっかく高価な買い物なのですから自分のこだわりを存分に主張できる1本も手に入れておきたいところです。思わず腕元に目が行くようなデザインにより、人に見て欲しい、ほめて欲しいと思うのは自然なこと。かといって、奇抜すぎるものはご法度です。ここでは、程良くこだわりを薫らせるデザインのポイントをお伝えしていきます。

要素1


おしゃれとは、自分の個性を肯定的に他人に認めてもらうこと。スーツスタイルではスーツの柄やタイの結び方など目立つところで主張ができますが、時計の場合は手首の小さな存在に勘づいてもらえなければお話になりません。ウブロ(HUBLOT)そのためにはまず、形から入りましょう。その第1歩は、ケースの形状をオーソドックスなラウンド(丸)型から変えるてみること。写真の『フランク・ミュラー』の「ロングアイランド」のようなレクタンギュラ(角)型やトノー(樽)型に変えるだけでも、印象はがらりと変わります。


要素2


文字盤もケースも、色使いはどんどん豊かになっています。文字盤にはブルーやブラウンが新しい定番色となり、昨今ではグリーンなどの変わり種も台頭する状態に。ケースもブラックやホワイトなど、より取り見取りです。最近ですと経年変化を楽しめるブロンズも選択肢として上がっています。カジュアルシーンなら、色にタブーはありません。金銀一辺倒にならず、今一度自分に似合う色を探してみましょう。


要素3


カラーの多彩化は、メッキや塗装によるものばかりではありません。今やセラミック、カーボン、グラスファイバーなど多様なハイテク素材も採用されています。そして素材が変われば、それに合わせてデザインや中の機構までいじりたくなるのが世の常です。パネライコピーカーボンならよりスポーティでラギッドなルックスに、セラミックなら軽さを生かしたミニマルでエレガンスを感じさせるフェイスに……、とステンレススチールでは描き出せない空気感は、一度はめてみないとわかりません。